知覚過敏を放置したらどうなる?
患者様の傾向で、知覚過敏は歯医者に行く必要はあるのか?と迷っている方が多くいらっしゃいます。
自然に治すことは可能なのか?放置した場合の症状などをご覧いただければと思います。
歯の表面のエナメル質には、痛みを感じる神経が通っていません。ですから、冷たいものや熱いものを食べても、しみる感じはしません。一方で、エナメル質が虫歯で溶けたり、削れたりすると、その下の象牙質という層が出てきます。ここには神経が通っているので、しみる感じがしたり、痛みを感じます。
知覚過敏は、軽度な状態でしたら自然に症状が治ることがあります。歯の再石灰化を促す「フッ素」や「ハイドロキシアパタイト」が入った歯磨き粉で磨くことも有効です。
歯医者で治療するメリットは、本当に知覚過敏なのか、本当は虫歯なのかが分かることです。歯の裏側や奥歯は見えにくいです。自分で知覚過敏だと思っていても、実は虫歯なんてこともよくあります。 もう一つのメリットは、知覚過敏専用の塗り薬や、詰め物をしてもらうと即効性があります。
軽度 | 短時間で症状が消える(通常2〜3秒程度で消える) |
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重度 | それ以上長く続いたり、強い痛みを感じる場合は、重度と言えるでしょう。 |
日頃から、歯のケアを行ってプラークコントロールを徹底しましょう。虫歯や歯周病を予防する事は、知覚過敏を予防する事にもつながります。しかし、過度な力で磨きすぎると知覚過敏を引き起こす事にもなります。知覚過敏の症状が出たら、セルフケアを行い、それでも症状が続く場合は歯科医院で見てもらった方が良いでしょう。
最も大切な事は、しっかりと歯磨きをする事です。プラークが残ったままですとさらにエナメル質が溶け出し、症状が悪化します。
既に象牙質が出ている場合は、歯ブラシが当たると痛みを感じてしまいます。しかし、痛みのために歯磨きが出来ないと、プラークがたまり、さらに歯の表面が溶け出してしまうので、しっかり歯を磨きましょう。
歯ブラシが触って痛くて磨けないようでしたら、歯科医院でみてもらいましょう。
軽度なものでしたら、歯磨き粉で症状が消えることもあります。フッ素、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムを含んだ歯磨き粉を継続的に使うのが、自分でできる対処法でしょう。
WSDとは、歯と歯肉の境目の歯頚部と呼ばれる部分が摩耗して、くさび状の窪みができてしまう状態を指します。基本的にう蝕を伴わない欠損です。くさび状欠損とも言います。
年齢・性別 | 58歳・女性 |
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主訴 | 左下3~5番 |
治療内容 | WSDをCRで埋めた |
治療費 | 3本分で合計約3,000円 (2022年12月現在) |
治療期間 | 1日 |
リスク・副作用 | ・経年的に変色が起こる可能性があります。 ・材料の収縮により、歯との間に隙間ができ、そこから2次的な虫歯になることがあります ・強い噛み合わせが加わると詰め物が取れる可能性があります |
治療方針 | 定期検診で通ってた方です。 昨年の4月から左下の歯がしみると仰っており、その都度ボンディングを塗布していました。 患者さまに痛みが強いようであれば、WSDをCRで埋めて外部からの刺激を遮断する方法があるとお伝えして、治療をすることになりました。 |
特記事項 | 咬合力が強い方、WSDをCRで埋めても取れてしまう方はマウスピースの使用をオススメします。 |
治療前 | 治療後 | |
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治療後 |
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